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執筆者の写真菅原奈央

産後は横になるのが一番!その理由と楽になるためのヒント

産後は横になるのが一番

赤ちゃんが産まれてからは文字通り、不眠不休で育児をする毎日が続きますよね。


「お母さんだからしっかりやらなくては…」

医療者から『家に帰ってからしっかりできるようにね…』なんて念を押された…

そんな風に、プレッシャーを感じている方もいるかもしれません。


もちろん、産後、愛着形成を促すために母子同室であることや、母乳の分泌を高めるために頻回に授乳することはとても意味があります。


しかし、立ち仕事の家事をすること、赤ちゃんをずっと寝かしつけることなどは、お母さんだけがしなくても良いのです。


産後のお母さんは、自分の身の回りのことと、赤ちゃんへの授乳以外は、極端に言えばしなくてもいいんです。


できれば「あわよくば」ではなく、しっかり横になって休むことが重要です。


今回は、産後に横になるべき理由と、少しでも楽に休めるためのヒントをご紹介します。


なぜ産後に横になる必要があるの?

出産は、想像以上に身体への負担が大きいものです。


  • 子宮の回復: 妊娠中に大きく膨らんだ子宮は、産後、元の大きさに戻ろうと収縮を繰り返します。

  • 骨盤のゆるみ: 出産時に骨盤は大きく開き、靭帯や筋肉もダメージを受けています。

  • ホルモンバランスの変化: 妊娠・出産に伴い、ホルモンバランスが大きく変動し、心身に影響を与えます。

  • 体力消耗: 分娩という一大イベントを終え、身体は大きな疲労を抱えています。

  • 授乳: 頻繁な授乳は、体力だけでなく、ママの身体にも負担がかかります。


これらの回復のためには、十分な休息と睡眠が不可欠です。


妊娠・出産は、骨盤底筋群に大きな負担をかけるため、産後は骨盤底筋群が弱くなっています。骨盤底筋群は、骨盤の底にあり、ハンモックのように内臓を支えています。


座っている、立っている状態では、内臓の重さを支えきれず子宮底筋群へ負担がかかり続けてしまいます。


この状態が続くと、骨盤底筋群の回復が遅れ、将来的に尿漏れや骨盤臓器脱などのトラブルが起こりやすくなる可能性があります。


産後、横になることは決してなまけているわけではなく、贅沢なことでもなく、出産をしたお母さんにとって必要な療養です。


横になることで得られる効果

  • 身体の回復促進: 子宮や骨盤、筋肉、靭帯などの回復を早めます。

  • 疲労回復: 身体を休ませることで、疲労回復を促します。

  • 血行促進: 全身の血行が促進され、むくみや冷えの改善に役立ちます。

  • 母乳分泌の促進: 休息は母乳の分泌を促すホルモンの分泌を促します。

  • 精神的な安定: リラックスすることで、ストレスを軽減し、精神的な安定につながります。


楽に横になるためのヒント

  • 家事・育児は周囲に頼ろう: 家族や友人、産後ドゥーラなどにサポートをお願いしましょう。

  • 便利なサービスを利用: 家事代行や食材宅配などを利用するのも良いでしょう。

  • 赤ちゃんが寝ている時は一緒に: 赤ちゃんが寝ている時は、自分も一緒に横になりましょう。昼も夜も夕方も赤ちゃんが寝ている時は、お母さんも寝ていいんですよ。

  • 無理をしない: 「なんでもやるママ」を目指さず、自分ケアを一番大切に考えましょう。

  • 今は後回しもOK:食器を洗わなくてもすぐには死にません。元気な時にまとめて片付けるのもありですよ。

  • プリンセスの気分で:人に何か頼みづらい人はプリンセスの気分で。誰かになにか代わってもらうことがあたりまえなほど、お母さんは痛みもあり疲れています。



産後は、赤ちゃんのお世話で忙しい日々が続きますが、自分の身体を労わることが何よりも大切です。赤ちゃんの健康は、お母さんの健康あってのことです。

横になって休む時間を確保し、心身ともに健康な状態で育児を楽しめるように自分をケアしていきましょうね。

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